スタンリー・キューブリック「スパルタカス」

1960年アメリカ映画。

スタンリー・キューブリック監督作品な

ので見なくては。初期の作品なので完璧

主義だとか映像美とかは見当たらない、

彼の作品だとはわからない。wikiをみる

と製作総指揮のカーク・ダグラス主導の

映画だったようだ。

共和制ローマの奴隷たちの反乱の映画な

ので、当時のアメリカ人は受け入れたの

か疑問を持ったが、やはり非難や批判も

あったようだ。そういう映画を作ったカ

ーク・ダグラスが何を考えていたのか知

らないが、実はここにも赤狩りが影響し

ていたことを知る。脚本はダルトン・ト

ランボ(ハリウッド・テンの一人)、だ

から合点がいく。

トランボは実刑後も(ときには偽名を使

って)多くの脚本を書き、「ローマの休

日」の偽名は有名である、調べると有名

な作品がずらりと並び驚く。

この映画のそんないきさつも知らず、で

もどうだろう、奴隷の反乱はいいんだけ

れど、歴史の評価は複雑である。結果、

奴隷制が緩和されていったようであり、

一方で近代には労働者階級の英雄をいう

云われ方もされたようだ。しかしなあ、

首謀のスパルタカス、幹部と多くの奴隷

たちにはやはり組織的な上下関係があり、

反乱ではいわれるままにみんな死んでい

ったんだよなあ。統率力実行力は認める

が、信長秀吉のように女子供召使いすべ

てを殺すような英傑を好きとは思わない

のと同じで、スパルタカスにもわたしは

共感しない。ラストに自分の妻と子供だ

けは助かって感動というのもなあ。

やぶにらみですまぬ。