堤真一、彼は若い、でももう顔は出来上
がっている、野田秀樹の「キル」より前
のこと。でもダメ男とは思えなかった。
たことがあるが、この女殺油地獄は心中
ではなかった、初見。
堤真一がダメ男なのでそういう話かと思
っていたら、樋口可南子が女の情念を表
わして(藤谷美和子もそうなんだけど)
どっちもどっち、心中かと思っていたら
油地獄だった。ふたりの感情の揺れは面
白いのだが、ここは五社英雄じゃなく、
もっと丁寧な演出があったらよかったの
に。物語は人間の弱さ、欲望をうまく描
き、300年も前の話なのにまったく現代
のことであった。文楽で見てみたい。