沢木耕太郎「天路の旅人」

ようやく読んだ、沢木の初版サイン本。

ひさしぶり(9年振り)のノンフィクシ

ョンだからか、先日も新聞のインタビュ

ーとNHKの番組に本人が登場して本の

紹介があった。

大作である、第二次世界大戦の後半、国

密偵として中国、蒙古、チベット、イ

ンドへ侵入する。いわゆるスパイのイメ

ージではない、旅人などというイメージ

でもない、きわめて過酷な冒険家、修行

僧としかいいようがない、想像を超えて

いる。密偵という仕事というよりただ新

しい土地を知りたいという好奇心だけの

ようだ、それが旅人なのだ。

地理、地名がよくわからないので私の理

解が足らないように思う、でも中国から

インドへおよそ徒歩で行くというのはも

う想像できない。

文章は淡々としている、インタビュー元本

元原稿に沿って丁寧に辿っているようだ。

無理に感動、感嘆の場面を作らないことが、

それゆえにすこしものたりなかった、と欲

張りな感想も持った。