O・ヘップバーン「戦争と平和」

当然ながらトルストイの「戦争と平和

を読んでいない。ソ連版とアメリカ版の

戦争と平和の映画があることは知ってい

た。これはアメリカ版、3時間半の大作、

3日間かけてなんとか見た。

先入観なし、ナポレオンがロシアに侵攻

し、でも冬将軍のおかげでフランスは撤

退するという史実の中で、ロシア貴族が

戦い、逃げ、贅沢で、恋愛があるという

話、でもトルストイはそんな話ではない

だろう。

ロシア貴族のピエール(へンリー・フォ

ンダ)はつかみどころのない役どころで、

貴族を嫌っているかと思えばそうでもな

い、平和主義者と思えばそうでもない、

ヘンリー・フォンダなのできっといいひ

となんだろうし、傍観者なんだろう。

一方アンドレイはわかりやすい、かっこ

いい、メル・ファーラーという俳優、知

らぬ。

そしてオードリー・ヘップバーン、なに

不自由なく育てられた貴族の娘、恋に恋

するわがまま娘、困ったものだ。でも、

ヘップバーンは許される、光り輝いてい

る。歴史の流れなんてどうでもいい、ナ

ポレオンだってどうでもいい、ヘップバ

ーンが次々と恋する相手を変えていくの

を見ていると思えばそれでいい。

でも、トルストイはなにを書いたのだろう。