これが1泊入院に持ち込んだ本、別に痛く
はないだろうし、のんびり本でも読めるだ
ろうと長編で読みやすそうなのをと。テレ
ビもみないしスマホもいじらないので一気
に読む読む。立身出世のためになすべきこ
として、旧習にとらわれず情報重視なり敵
を懐柔するなり大局を見るなり地頭のよさ
が見事。それでも所詮殺し合いであり、戦
闘員だけでない女子供も殺めてのしあがっ
ていく。ゆえに司馬は絶頂期の秀吉の愚策
を描かなかった。ただ、戦国時代に尾張人
の秀吉がいかなる才覚でここまでこれたの
かを語った小説なのだと思う。
ところで、入院でがっかりとは、こういう
ところで延命しながらだらだら死を待つの
はいやだなとリアルに思ったのことにがっ
かりしたのでした。