村上春樹「騎士団長殺し」(第1部・第2部)

騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編
騎士団長殺し :第2部 遷ろうメタファー編
ようやく読み終えた。発売日の仕事帰りに
書店にて購入、新潮社の戦略とマスコミの
あざとさはきっと村上春樹もやれやれとい
う気持ちだと思うが、買う方もなんだか流
行に乗るミーハーと思われているようで恥
ずかしい。
それでも何年か振りの大長編、ゆっくり読
んだ。ねじまき鳥もカフカも1Q84も重層
的な大柄な物語だったか、今回はわりとス
トレート。いつもの井戸はやっぱり異界を
経て帰ってくるし、自分も不倫してたのに
すんなり元妻とよりを戻すし、なんだか力
技が足らない感じに思えるのは欲張りか。
いつかはカラマーゾフの兄弟のような、あ
と何度こういう読書の喜びがあるのだろうか。