ジョン・スタージェス「荒野の七人」

ハリウッドでリメイクした作品として知っ

ていたが見たことがなかった、テレビで放

送したので録画して見た。えええ、格が違

う違いすぎる。七人の侍の重厚さ、戦闘シ

ーン、個々の描かれ方、すべてにおいて差

がありすぎる、驚いた。ユル・ブリンナー

志村喬で、ジェームス・コバーンが宮口

精二で、これはかっこよかったがそれでも

なあ。あらためて七人の侍の偉大さを知る。 

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人生百年時代

政府が仕掛けメディアが競って取り上げて

いる人生100年時代、生涯現役、100歳ま

で生きるのに備えよとのこと。

厚労省の平成29年簡易生命表を調べてみた。

65歳の平均余命は男19.57年である、平均

なのでよくわからないが、寿命中位数(半

数が生存する年令)は84.08歳、すなわち

同年の同級生達のうち半数が亡くなってい

るのが84歳なのである。

では75歳ならどうか、生存数は75.3%

84歳が50%(上記)

90歳が25.8%

95歳が9.1%

さらに健康寿命というものがある。

平成26年厚労省数字では、健康寿命

72.14歳とあり、平均寿命との差は8.84

歳とされる。

これを人生100年時代というのだろうか、

誰が人生100年なのか。

政府は意図的に仕掛けているのだろう、ま

社会保障が負担となりやむをえないかと

も思うが、メディアが情緒的に100年とけ

しかけているのはなぜだろう。

わたしは人生100年時代に踊らない。

 

 

 

 

宮部みゆき「荒神」

荒神は竈の神様、台所の神様、でもこれは

違う、原発を暗喩した話かなと思っていた

がそれも違う。ただ人の暗部、悪がもたら

す災難に立ち向かう物語。でもやっぱりな

にかがそこに隠れているような、でなきゃ

あんな怪物をだしてくる必要がない、シン

ゴジラのヒントになったという記事も読ん

だな。 

荒神 (新潮文庫)

荒神 (新潮文庫)

 

 

パナソニック汐留美術館「ギュスターヴ・モロー展」

 なぜか惹きつけられるモローである。

昔、残念ながらモロー美術館へ行けな

かったのでそこの所蔵品展というので観て

きた。サロメを主題にした作品が、有名な

「出現」をはじめとしてたくさんあって面

白かった。あれは洗礼者ヨハネなんだとい

まさらながらである。象徴主義というのだ

そうだが官能的で美しい、一角獣のも美し

かった。でも一番弟子がルオーだというの

で不思議なものだ、ルオーはモロー美術館

の初代館長なのだそうである。

ギュスターヴ・モローの世界

ギュスターヴ・モローの世界

 

 

ピエール・ルメートル「傷だらけのカミーユ」

カミーユ三部作の最終作、ようやく読んだ。

レベルが下がらないしっかりした作品、最

初から暴走するが意外の展開に、亡妻イレ

ーヌを忘れられないのにあれっと思いなが

らも話は息もつかせず進んでいく、カミー

ユをはじめ脇のキャラクターもうまくて読

ませる。堪能した。 

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F・トリュフォー「終電車」

テレビで懐かしい映画を放送したので録画

して見た。1980年だから26才のときに映

画館で観た映画だ。フランソワ・トリュフ

ォーは最初に「アデルの恋の物語」を観て

しっくりこなかったが、「トリュフォー

思春期」を観てなるほどなあと感心しそれ

からいくつか名画座で観ただろうか。

そしてはじめてロードショーで観たのがこ

の「終電車」だった。ドヌーヴもさること

ながらドパルデューの存在感に驚いた記憶

と占領されたパリの微妙な人間関係、やり

とりに感ずるものがあったが、再見してよ

り味わうものがあった。ラストの両脇に男

を従えるドヌーヴもいまならわかる。

トリュフォーは、それから2本の映画を撮

って早世してしまう、名作「アメリカの夜

は結局名画座では観ることができなくて、

その後レンタルビデオが登場してようやく

見たのだった。 

終電車 Blu-ray

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