フランク・キャプラ「素晴らしき哉、人生!」

見たことがあるんだけどなあ、でも最後

までわからなかった、初見かもしれぬ。

よくできた名作である、と褒めるのは簡

単である。だからすこし厳しく。

ありえたかもしれない人生ということを

誰もが考えたことがある、わたしもこの

年令になってふと思ったりする。でも28

才では考えない。

ジェームス・スチュアートは親の仕事を

継がなきゃいけなかった、日本ではどこ

にでもある光景だったのに、いつもくよ

くよしている、まだ28なのに。心の奥に

それを抱えながら、最後に妻や子供が一

番という結論はそれでいいのか、安易で

はないのか。

一方、あの富豪の悪役(いいねえ)のい

つも脇にいた秘書みたいな人が、最後に

富豪に金を返しなさいと説得する、指弾

するのではないかと期待していたのだが。

あれはいやがらせではなく、完全に泥棒、

犯罪なのだ。

ところで「天使のくれた時間」はこの映

画のリメイクだったのか。