救いがないリアリティがある。
そういう映画をなぜつくるのか、なぜ見る
のか。人間はそういうことをしてしまう生
き物であることを思い出すためか。
母親は子供たちにやさしく接する、暴力を
ふるうわけではない、でもおとなになれて
いない、自分の幸せを願っていけないのか
と子どもにむかって云う。幸せを願おう、
子供たちと共に。
主人公の長男も暴力をふるわない、どなら
ない、静かに耐えている、それを柳楽は表
情で見せている、目力が強い、この子は爆
発しないと見ていられる。
どんな悲惨な事態になるのかずっと心配で
落ち着いて見ていられなかった、でも悲惨
なことは起きる、誰も責めない、責められ
ない、明日も生きていくのだから、希望は
ないのだけれど。まいったなあ。