是枝裕和「誰も知らない」

救いがないリアリティがある。

そういう映画をなぜつくるのか、なぜ見る

のか。人間はそういうことをしてしまう生

き物であることを思い出すためか。

母親は子供たちにやさしく接する、暴力を

ふるうわけではない、でもおとなになれて

いない、自分の幸せを願っていけないのか

と子どもにむかって云う。幸せを願おう、

子供たちと共に。

主人公の長男も暴力をふるわない、どなら

ない、静かに耐えている、それを柳楽は表

情で見せている、目力が強い、この子は爆

発しないと見ていられる。

どんな悲惨な事態になるのかずっと心配で

落ち着いて見ていられなかった、でも悲惨

なことは起きる、誰も責めない、責められ

ない、明日も生きていくのだから、希望は

ないのだけれど。まいったなあ。

誰も知らない [DVD]

誰も知らない [DVD]

  • 発売日: 2005/03/11
  • メディア: DVD