是枝裕和「万引き家族」

これを地上波で放映するというので驚く、

録画して見た。パルムドールを取ったとい

うので映画館へ行こうと思いつつも重い映

画なので躊躇もしていた。それをテレビで

放送する、テレビもまんざら捨てたもので

もない。

社会派の映画だと、貧困問題の映画だと見

做すと違うように思う。家族とはなにか、

一緒に暮らすこと、日常の些細事、お金で

繋がっていても滲み出る情愛のようなもの、

そういうものを丹念に丁寧に描いている。

汚くて暑苦しくていい加減な大人でどうし

ようもないんだけど、ちいさな清潔感、い

やどう云ったらいいか、清々しいものがそ

こにあったような、しばらくこの映画のこ

とを考える、思い出す、そういう映画だ。

ケイト・ブランシェット安藤サクラの泣

くシーンを絶賛し、他の映画でこういう泣

き方を誰かがしたらそれは安藤の先例があ

ることになると云ったそうだ。