山下敦弘「マイ・バック・ページ」

マイ・バック・ページ [DVD]
70年前後の学生闘争の末期に現れた武力
革命セクトに肩入れした新聞記者の回想録
を映画化したもので、テレビで録画してあ
ったのをようやく見た。あのころの空気感
を見たいという気持ちだったが、なんとも
やりきれなくて見終わるのに3日もかかっ
てしまった。
ちょうど高校生だったころの話だが、あの
頃のある種のシンパシイは細々とした理想、
夢としての残滓以外は、組織化されたもの
(組織化する人より組織化される人に興味
あったから)は個人の自由とは相反するも
のだと嫌悪して「祭りのあと」となったも
のだ。だからその後のこの映画のような内
ゲバ、暴力闘争に彼らがなにを求めていた
のか理解できない。理解するとっかかりみ
たいなものもない。それでも、それでも、
あの時代にあったことはなかったことには
できない。
川本三郎の屈折が荷風に向かい、初期の村
上春樹に向かったのもわかるような気がし
た。