司馬遼太郎「竜馬がゆく第5巻回天篇」

竜馬がゆく〈5 回天篇〉
30数年ぶりの1月19日から第1巻立志篇を再読しはじめ、
5月17日第4巻怒涛篇の薩長連合まで来たとこのブログにも
書いてきたが、とうとう第5巻回天篇まで読了しました。
学生時代は第4巻までしか読んでいなかったので、それ以降は
初読。さて、竜馬は薩長連合を成した人と捉えていたが、実は
大政奉還にも新政府方針(船中八策)にも関わっていたことを
知る。薩長と幕府がいかに戦わずに新政府を作るかにすべてを
賭けていたことを知る。中岡慎太郎もわかる。薩長に土佐がな
ぜ絡んでいるのか昔から疑問だったのが、これもわかる。土佐
人が自由民権運動に行くこともわかる。
学生時代に見た映画、黒木和男「竜馬暗殺」はインパクトある
映画であったが、その暗さがなく、突き抜けた竜馬のビジョン
がこの本ではわかる。
もちろんスター竜馬の手柄ばかりではないだろうとも理解する
が、激動の時代に人知を超えた活躍があっただろうことは想像
できる。それを体感できたこの本はやはり国民小説なのだろう。
堪能した。
さて、NHKの龍馬伝でそれを表現できるだろうか。