読み直す村上春樹その1「風の歌を聴け」

風の歌を聴け (1979年)
1979年に群像新人賞を取り芥川賞候補になったことで
この本の存在を知り購入した。すでに二刷になっており、
一部の若者に熱い評価を得ているという雰囲気だった。
働き始めて2年目、給料をもらって単行本を買うことが
わりとたやすかったから、当時、村上龍の登場以来新人
作家を追っかけておりその中で村上春樹を見つけたわけで、
表紙が佐々木マキで、ポップで乾いたアメリカナイズされた
新しい文学という切り口で、カヴォネットの影響を強く感じ、
当時は大いに気に入った。
さて、読み直してみると、意外と古風、あまりポップでも
ない、おしゃれ感はあるけどかなり内省的で、今なら次の
作品を読もうとは思わないのではないか。私の年令のせいか、
時代なのか・・・。