いなよ」から長谷川恭男の教室。この人の
東大退官の挨拶文(web、今はない)が興
味深かったし、アメリカンロックが好きで
ベースを弾いてたことがあるとか普通の生
活もあるんだと。さて憲法をロジックに説
明する、右でも左でもなくあくまで法学と
してそこに政治の判断は入らないと。でも
最後のところで(歳を取ったか)人間の良
識があるとの見識を披露する。ガイド役の
高橋源一郎もさばきがうまい。
このあと3人目が伊藤比呂美なのだが省略。
この岩波新書は面白かった。
1966年作品だから西部劇もかなり垢抜け
てきて現代的になっている、マックイーン
も現代の顔をしている。両親を虐殺された
犯人を追っかけて復讐をする物語なのだが、
読み書きを教える銃商人や宗教を授ける神
父と出会い徐々に大人になっていく成長物
語になっている。意外な展開で西部劇のイ
メージがますます拡がっていく。
昔に読んでわたしのオールタイムベストい
くつに入る大事な小説を再読。
現在(といっても60年代)と戦争中を行も
空けずいったりきたりする、現代がちょっ
と冗長すぎるなと思いながら読み進めるが、
次第に戦争中の忌避中のディテールが明ら
かになってきて、後半から読むのを止めら
なくなってくる。
徴兵忌避は自分が殺されるのが怖かったの
でなく敵を殺すのが嫌だったと云う、思想
的でも理論的でもなく信条でもなくこころ
の良心みたいなもの。昔、良心的兵役拒否
の本を読んだことがある、いまは各国でそ
の権利が認められているが、一方で個人的
な罪の意識についてもよくわかる。
丸谷も召集され(二等兵、東大卒ならすぐ
に将校になれるのに)辛酸をなめたようで、
徴兵忌避をしたらという「if」を小説にし
たのだろう。単に戦争反対ではない、人間
と国家、歴史の不条理を個人の丹念な生活
の記述(ユーモアも交え)によって描いた
ものと再読してあらためて思う。
やっぱり傑作。
(戦場のピアニストからの流れで読んだ)