ひとつの時代についてフィクションとノン
フィクションを並べて、結果として「戦後」
を語る。そのなかのひとつに「二十歳の原
点」がとりあげられている、当時高校生の
ときに読んだ。すでに連合赤軍事件と重な
ってこうではなかったはずだとの向き会う
前の悔悛というのかなんともいえぬ憤りを
持ったことを苦く思い出す。いま「戦後」
をまるごと生きてきてすでに世の中につい
ていけていない、感性がずれてきている自
分に気付いている。
北村薫「太宰治の辞書」
はじめて「空飛ぶ馬」を読んだのはいつだ
ったろう。もう30年近く前なのか。「円紫
さんと《私》」シリーズとして日常の謎と
いう新しいミステリーを読み、《私》の瑞
々しさに惹かれ、シリーズは成長小説にも
なっていて楽しみだった。
途中から難しくなってきて、文学愛好家で
ないとついていけない話になってきたが、
今回も芥川、三島、太宰、その他と本の連
鎖というかうんちくと探究に溢れて、読ん
で楽しいながらほんとはよくわからないと
いう感想。《私》は夫も子供もいて、よく
成長したねと懐かしむが、そのあたりの話
はほとんどなくてそれはちょっと残念。
まだシリーズは続くのだろうか。
色弱6:色相環
光は電磁波で可視光線域の波長を人間は見
ることができると習った、スペクトラムと
いって短波長の紫から長波長の赤までが見
ることができる。ところが色相環というの
も習った。これがなんとゲーテ、若きウェ
ルテルの悩みのゲーテが考えたものである
というので驚き。端っこの紫と赤を赤紫で
繋いで環にしている、なぜだ、でもすごい
アイデアだ。でもスペクトラムに赤紫はど
こにあるのか。なんだかとても不思議であ
る。ちょうど周波数の違う音階がドレミか
ら倍の周波数になるとどうしてドになるの
かに似ている、不思議だ。
(どうでもいいことを書きながら頭の中を
整理して、色弱の私はなにを見ているかに
迫りたいと思っています。続く)
色弱5:なぜ錐体が重なっているのか2(勉強中)
L-錐体、M-錐体、S-錐体と3つあるのに、
なぜL-錐体、M-錐体はかなり重なっている、
隣接しているのかについて、医学の分野で
説明らしきものを見つけた。
https://www.nig.ac.jp/color/barrierfree/barrierfree.html
細胞工学というから学術誌なのだろう、筆
者は岡部Dr.伊藤Dr.というので、CUDOの中
心におられる医学の研究者であった。そこ
で、LとMは X 染色体上で隣接して配置され
ていると書かれており、ということはよく
似ているということで、なんらかの理由で
3つあるのと2つある場合があり、簡単に
云うと2つのときは色弱ということだ(1
つが弱い場合もだが)。
生物には、3色型色覚も2色型も4色型も
あるらしく、霊長類は木の実や果実を見つ
けるのに微妙な色具合を必要とし3色覚が
出現したという。どちらにしてもLとMはと
ても近い染色体に関わるということでよく
似た機能をもつ、つまり重なってしまって
いるということでとりあえず先へ進もうと
思う、納得したとはいえないけど。(続く)