原田マハ「リーチ先生」

所用があって大阪へ行ってきたので電車

の中でずっと「リーチ先生」を読んでい

た、大作、文庫588P。

しばらく前にテレビで大分の小鹿田焼

ことをやっていて、民藝、リーチ等関係

を紹介していたことから、待機していた

「リーチ先生」を読むのは今だと思った。

民藝の柳宗悦はいくらか知っていたが、

バーナード・リーチなり浜田庄司なり河

井寛次郎はよく知らなかった。

いろんなところで作品は見たし、大山崎

山荘美術館ではいつも作品を見ていたが

彼らの違いはわからなかった。

これはバーナード・リーチの伝記物語だ

が主人公にフィクションの親子を持って

きてその師弟関係を中心に物語る。

おもしろい、どんどん読める、民藝の考

えもわかってくる、取り巻きの文化人達

も出てくる。結果としてフィクションの

亀乃介は大成しないのだが、それはなぜ

なのかというところに違和感が残る。

明治の終わり頃、最後の自由な雰囲気の

中で彼らが切磋琢磨した喜びが伝わって

くる。「好い、とても好い」