沢野ひとしは久しぶり、書店で目に留まり、
帯の谷川俊太郎に留まり、沢野の人生の片
づけ話かと思ったら、家の片づけ、暮らし
の片づけの話だった。沢野ひとしにこんな
几帳面な整理整頓ができるとは思わなかっ
た、放埓の人だったのに。
でもところどころいいことが書いてある、
いくらか人生の片づけにもなっている。
もう「本の雑誌」を購読していないのでわ
からないが、奥さんとは一緒に暮らしてい
るようなので納まったのだろう。
あのいい加減な自由人らしさ、ちょっとセ
ンチメンタルなところ、そして独特の沢野
絵も好きだった。
そうだ、昔、名古屋の画廊で個展があって、
本人が来廊し、そこで「天秤座」という題
名の版画を買ったことがある、話をしたか
まり記憶がないけど。
子の家の片づけまでしていたのは知らなか
った、驚いた。