アイデンティティ

選挙の投票に行った大学生が自分の選択が

多数派の人たちと同じだったのでよかった

とのコメントを新聞で読んで驚いたことが

ある。同調圧力とかではなく、人と同じだ

と安心するというのが今の風潮のようだ。

昔、わたしはいかに人と違う自分になれる

か、わたしはわたしだといえるアイデンテ

ィティの確立に腐心し悩んだものだ。器も

小さく得意なものもなく自信も野心もなく、

結局アイデンティティはなんだったかよく

わからぬままにここまできて、でも大きな

要素にならざるをえなかった仕事を辞めて、

引越しもして、もういちど素の部分からは

じめるということだろう。

ハローワークでボランティアの話になって

シルバー人材センターでそういう仕事もあ

ると紹介されて、先日説明会に行ってきた。

地域の班長さんがいてその人が取り仕切っ

て割り振られるみたいな説明があり、申し

訳ないが脱力してしまい一人だけ申込登録

をせず帰ってきた。わたしはほんとうにも

う管理されて動きたくないと心底ダメなじ

ぶんを認識したのだった。

そういうダメなじぶんも含めて、なぜかい

まだにこれからじぶんが成長するという気

分がある、不全感というらしい。片隅にま

だ15才のわたしがいる、少年の心ではない、

ただ未熟なわたしがいる。

それらすべてひっくるめて、これがわたし

アイデンティティなんだろうなといまさ

らつくづく思う。

もうすぐ1年になる、あっという間だった、

驚く、たらたらしていたら10年くらいあっ

という間に過ぎてしまうぞ。