子供のためのシェイクスピア「ヘンリー六世(第3部)」

ヘンリー六世 第三部 (白水Uブックス (3))
夏の定番となった「子供のためのシェイクスピア」公演は、今年は
ヘンリー六世(第3部)とリチャード三世の2本立て。
東京公演はそれぞれを別の日に上演し、地方公演では片方しか上演
しなかったりだが、大阪では同日に、昼と夜に上演する。それで夏
休みを取って、大阪阿倍野区民ホールへ行ってきた。
それで、まず、昼間の公演はヘンリー六世(第3部)。
ヘンリー六世は三部作のようで、その第3部が、次のリチャード三
世に繋がっていくらしい。繰り返し書くけどイギリス王国史は高校
3年の世界史で習ったが、申し訳ないがそもそも覚える気はまるで
なかった。ただダイナミックな歴史のうねりぐらいは把握すればよ
かったなとは後の祭り。だから薔薇戦争がどうのこのとシェイクス
ピアが云ってもちんぷんかんぷん、でも人間の欲望、権力欲、嫉妬
心などは現代人と同じ、そこがやはり数百年と続いた作品の力。
さて、ヘンリー六世(第3部)、どこまで史実なのかわからないが、
敵味方あっちに行ったりこっちに行ったり媚びたり裏切ったりの年
代記、そして最後の方でリチャードが虎視眈々と王位を狙っている。
次のリチャード三世を観ないで、ヘンリー六世だけ観ると、なんだ
か盛り上がりのない、しかも次にご期待みたいな感じで、ちょっと
欲求不満が残るのではないかな。