市川準「ざわざわ下北沢」

2000年市川準監督作品。

市川準は静謐な都会的な映画を撮る好き

な監督だったが、この映画は雑然とした

下北沢をスケッチのように描く、すこし

毛色の違う映画だった。

ミニ陶器お守りの行先を併走させて、特

にストーリーはない、行ったことはない

けど下北沢の街の若者、住人、演劇人ら

が入り乱れて、80年代か90年代を見

せてくれる。

長いなあ、うーんと思いながら見ていて

のだが、ラストに主人公の少女が街を出

るところでなにかじわーとくる、喧騒と

した街を離れる、大人になる、そういう

感じのせつなさというのだろうか。

フジ子・ヘミングが住民としてでてくる、

下北沢に違和感はない、よい重しとなっ

ていた。