村上春樹「小澤征爾さんと音楽について話をする」

小澤征爾さんと、音楽について話をする
村上春樹河合隼雄との対談本、柴田元幸との対談本に続く対談本
だろうか、でもこれは深度がまるで違うように思える。村上春樹
クラシックも聞いていることは知っていたし、実はピアノもうまい
ことも知っていたが、ジャズのようにここまで詳しいことは知らな
かった。
そんな彼が小沢征爾からとことん聞き出す、その力量は見事。小沢
征爾もそれに応えていままで語られてこなかったことまで話す。実
際にレコードを聴きながらより詳しく話す。ここしばらく、モーツ
ァルトのハイドンセットを聴いているのだが、これを読んだら困っ
たことにベートーベンのピアノコンチェルト第3番も聴きたくなっ
た。小沢征爾は世界で有数の日本人スーパースターだが、飾らず真
摯に向き合っている、柔軟さというか無垢なところと強い意志とが
重層的であり改めて偉大さを確認した。いや、でもここは村上春樹
の功労賞だな。
内容は半分以上理解できませんでしたが、それでも読み終わるのが
もったいない、おもしろい、ゆっくりと少しづつ読んだ。