山田洋次「おとうと」

観るつもりはなかった。きっと古臭い安定感、庶民の生活が
一番みたいな定番映画だから・・・。でもつい観てしまった。
まったくの予想通りの映画。脚本はうまい、脇役の細部がう
まい。すっかり型にはまっていて、まるで寅さんと同じ安定
感。吉永小百合は久しぶりに観た。薬剤師といえども庶民生
活はまるで似合わない、話し方もそんな物言いはありえない、
これも定番演技。それでもそこにいるだけでうれしいのは何
故だ。おとうとが最後に亡くなるのだがそこだけは脚本がず
るい、この展開は安易。しかし最後の民間ホスピスの石田ゆ
り子の言葉が美しい。このためにこの映画はあった。