辻井喬「茜色の空」

茜色の空
大平元首相は、当時はアーウーの鈍牛のような政治家だと思って
いたが、その後、クリスチャンだったとか学者タイプだとかいう
いわゆる他の保守政治家とは違うという情報が伝わってきて、そ
うなのかなとおもっていたが、辻井喬がその評伝を書くというの
で興味深く読んだ。
うーん。沢木耕太郎池田勇人を題材に書いた「危機の宰相」は
面白く、また政権を担う政治家の内面を見たという想いになった
が、これはそこまで想いを入れることができなった。
池田勇人の時代はまだ私が子供でよくわからなくて、またさあこ
れから高度成長だという勢いがやはり好感を持ってしまったのに
対し、大平芳一の頃は私も政治をいくらか見ていたし、やはり盟
田中角栄のこととか、信念を貫けなかったこととか、どうして
も不利だなあと思う。まだすこし再評価するには早いということ
だろうか。