佐藤美術館「山本冬彦コレクション展」

山本冬彦氏は昔から有名なコレクターでインターネットでい
くらかどんな活動をされているのか知っていたが、著作の新
書がでて、また活動の幅を広げているように感じていたとこ
ろ、千駄ヶ谷の佐藤美術館というところでコレクション展を
されていることを知り観に行く。
昨年は和歌山へ田中恒子コレクション展を観に行って現代ア
ートへの関わり方に関心をもったところだったので、有名な
コレクターのコレクションにも強い関心があり、楽しみであ
った。
コレクションは小嶋悠司や大藪雅孝や開光一などの有名な画
家だけでなく、驚いたのはやはり田中恒子氏と同じように、
現代アートといわれる若い画家たちの作品を丁寧に見続けて、
購入することで励ますというか応援するというか育成したい
と思っているのだろうということだ。
別のところで書いたが、現代アートは図体が大きくて、主張
が強くて、威張っている印象があり、好きになれないのだが、
このコレクションは、個人コレクションからなのだと思うけ
れど小品も多く好感をもち、こういう方向がやはりあるのだ
と、田中恒子コレクションに続いて確認できた、とても楽し
めた展覧会であった。
今回は作家情報を提示しない意図のようだが、次回は、山本
氏の頭の中で作品群がどのようにつながっているのか、どん
なものさしをもって選んでいるのか、どんな作品が好みなの
かをコレクションから解き明かす試みがあると面白いと期待
したい。
ところで図録があることを知らなかった、無念。