根岸吉太郎「ヴィヨンの妻」

ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~ [DVD]
もうすぐオリンピックがはじまるので、せっせとDVD
レコーダーに保存してあった映画を見て消去している。
ヴィヨンの妻は高校生の時に太宰を集中的に読んだ時の
文庫のタイトルだったから知っているが中身はまったく
おぼえていない。トカトントンというのもあったな。
で、急いでヴィヨンの妻を再読したが、やっぱりまった
く覚えていなかった。女生徒とかなんだか太宰らしくな
い明るい作品も読んだなあ、「待つ」という短編はいま
も大事な作品だ。
いま、なぜ根岸はこれを映画化しようとしたのだろうか。
ただのわがまま男ならそれでもいいけど(例えば夫婦善
哉)、尾崎放哉もそうだが太宰も大金持ちの子息でイン
テリで、わがまま、甘え、特権意識でしかない。
昔は人間の根源的な苦悩への共感というものがあったが、
この年になって残念ながら共感はなかった.