原武史「滝山コミューン一九七四」

滝山コミューン一九七四 (講談社文庫)
なんともやっかいな本を読んでしまった。
実は村上春樹には1973年と1Q84年があったので、それなら
1968年から1982年までの年号が入った本や映画やCDを集
めようと思いついて実行中なのだが、その1冊がこれ。
私はこの本にある頃より10年ほど前に小学校に在籍していたのだ
が、いくらかこれに似たことがあったことを思い出して読み進める
のがつらかった。というのも、私はここでも登場する優等生みたい
なことを無意識にやっていて、その後そのことを強く反省し、いま
でもその影響を受けていることを認識しているのだから。
ここでの作者、教師、あるいは背景それぞれに違和感はあるのだが、
ひとついえることは、どんなに民主的なものであっても組織、集団
とは、個を抑え他者を排除するものだということだ。