2020年フィンランド映画。(オンネリとア
ンネリと同じだ)
年老いた美術商がイリヤ・レービンという
ロシアの画家の作品を見つけだし翻弄され
る物語。渋くてディテールがしっかりして
いる、娘との確執、孫との交流も交ぜて、
フィンランドの静かな時間が流れていく。
よく知らない国の知らない暮らしの人生を
垣間見る、いい映画だった。
名古屋の郊外のブックオフで、京都の編集
工房ノアの山田稔の本を見つけたときはた
いそう驚いた。惜しまれて閉店した京都の
「三月書房」のブログをときどき読んでき
たが、(東京偏重じゃない)京大か京都の
が紹介されているのをふしぎな感じで読ん
でいたからだ。
そこへ「山田稔自選集 1」、さっそく買っ
て読んだ。いろんな含羞あるエッセイ集な
んだろう。ひとつ、無断引用。
ゆるやかなデモに参加して、
「私が歩いても、・・・情勢がすこしでも
変ることはない。外の世界は変らなくても、
しかしごくわずかに、ごく微妙に、私は変
る。そうやって少しずつ変りながら、今日
の、いまの私がある。」
そうか、そういうことなんだな。
つづけて2巻、3巻である。
しっかりSFになってきた。ものすごい宇宙
への進出、宇宙艦隊とその戦力は膨大、地
球の経済力はそれを確保できるだけの膨大
さになっているのだろうか、誰がそれを生
みだしているのか。というような素朴な疑
問は置いておいて、副題の「黒暗森林」理
論は一見わかりやすくて、物語もどんどん
読める、わからんところは飛ばしても話は
わかる。さてさて4巻、5巻へ。
2007年、ドイツ・トルコ・イタリア映画。
トルコとドイツの3組の親子の物語。政治、
文化に絡みとられ、でも「許す」ことを決
める、という映画だ。深くて十分には消化
できていないけど、映画ってほんとうにか
けがえのないひとつひとつの人生を描きだ
す。