中野のお父さん第4弾。
なんとなく手に取って4冊目、いつも蘊
蓄がマニアックでむつかしい。今回は、
漱石と清張がわりとわかりやすく面白か
った。月がきれいですね、か。
何度目の4月か、いつも「四月になれば
彼女は」という曲を思い浮かべる、そし
てこの曲を聴いたあの頃を思い出す。
(歌詞に韻を踏んでいるんですね)
4月はやはりスタートという気分、いまは
そんな区切りはないのに。
2022年韓国映画。
韓国映画もすこし見ている、あたりまえ
だが多様な映画が製作されている。
昔の女性がまだ社会で活躍できなかった
ころ、女性監督として映画を撮った苦難
とその作品を追っかけていく。それと自
身が現在、映画監督として壁にぶつかっ
ていることを重ねてよくできている。
主演はイ・ジョンウン、パラサイトの家
政婦だった。夫はどこかで見たことがと
思ったら冬のソナタの次長さんだった。
すこしづつ見ていると俳優が繋がってく
る、ソン・ガンホだけじゃない。
女性が外で活動できなかった、いまも困
難があるという状況を、昔と重ねて、う
まく描いている、しかもエンタメにもな
っている。キム次長(クォン・ヘヒョ)
が実は理解のある夫だったのがほっとし
ました。
締切りが近く大作を制作しているが、
うまくいかず、気分転換にちいさな
のを作ってみた。
20×15
タイトルを間違えたな、
友が来るのを待ってる絵ではない、
わたしが訪れるところだ。
玄関の向うの影は友である。
2022年、キネ旬1位作品。気にはな
っていた、予想に反して劇的なことは何
も起こらない映画だった。「エール!」
や「コーダ」とは違う、「名もなく貧し
く美しく」でもない、ボクシングを趣味
として、いや生きる糧として普通の生活
をしていく。
感動があるわけではない、お涙があるわ
けではない、ボクシングのトレーニング
の繰り返し、基礎練習の繰り返し、ラン
ニングの積み重ねが普通の生活を成して
いく。
岸井ゆきのの顔のアップ、横顔のアップ
が頻繁にでてくる、いつも無表情で強い
意志と、そう目ジカラを感じる、しゃべ
れないので余計に。
ラストで街の風景の雑音がこんなにうる
さかったのかと気付く、そこでの孤立か
ら彼女は立ち直るのだろうか、答えは提
示されない。いい映画だったとはすぐに
は言わない、じわっとあとからどう思い
出すか待つ。