12×12
動きを表わしたかったがどうしたらいい
のかわからない、とりあえず。
2022年、キネ旬1位作品。気にはな
っていた、予想に反して劇的なことは何
も起こらない映画だった。「エール!」
や「コーダ」とは違う、「名もなく貧し
く美しく」でもない、ボクシングを趣味
として、いや生きる糧として普通の生活
をしていく。
感動があるわけではない、お涙があるわ
けではない、ボクシングのトレーニング
の繰り返し、基礎練習の繰り返し、ラン
ニングの積み重ねが普通の生活を成して
いく。
岸井ゆきのの顔のアップ、横顔のアップ
が頻繁にでてくる、いつも無表情で強い
意志と、そう目ジカラを感じる、しゃべ
れないので余計に。
ラストで街の風景の雑音がこんなにうる
さかったのかと気付く、そこでの孤立か
ら彼女は立ち直るのだろうか、答えは提
示されない。いい映画だったとはすぐに
は言わない、じわっとあとからどう思い
出すか待つ。
1995年アメリカ映画。
俳優のキャラ、イメージにひっぱられる、
ケヴィン・スペイシーは大事な役どころ
と予想できたし(当たり)、チャズ・パ
ルミンテリは実は最後に裏切るんじゃな
いかと心配してたし(ハズレ)、「ブラ
ス!」のピート・ポスルスウェイト(名
前は知りませんでした)が出てきた時は
それだけでびっくりしたし、とにかく個
性の強い俳優ばかりでおもしろかった。
ところで、ケヴィン・スペイシーはいま
はどうなっているのか、追放かな、やれ
やれ。
2019年香港映画。
すみません、中国映画と香港映画と台湾
映画の特徴がわかりません。
姉妹が、父親の葬儀でお互いの存在を知
り、出会い、父の中華料理店を継ぎ手伝
うことで家族というものに向き合う。
この中国と香港と台湾の関係は突っ込ん
ではいけないような微妙なものがあると
思うが、その体制的なことは触れること
なく、異母三姉妹が溶け合っていく映画
である。
2019年なのでまだ香港はいまほどで
はなく、台湾も同様である、こういう映
画が作れた稀有の時代だったなんてこと
になりませんように。