宮本輝「三千枚の金貨」(上)(下)

久しぶりに宮本輝、どんどん読めるという

ストーリーテリングは安心感あり。会社の

役員友達の冒険談とでもいうか夢物語であ

る。そこにゴルフの話、祇園の話、痔の話、

不倫の話、あれやこれやを詰め込んでほん

とうに飽きさせない。ただしお金持ちの冒

険なのでわたしにとってはリアリティがな

く共感しながら読むということにならなか

った。

三千枚の金貨〈上〉 (光文社文庫)

三千枚の金貨〈上〉 (光文社文庫)

 

 

三千枚の金貨〈下〉 (光文社文庫)

三千枚の金貨〈下〉 (光文社文庫)

 

 

国立西洋美術館常設展

最近はここの常設展がお気に入り、この一

年で3回目か。

中世絵画からルネッサンスを観られるのは

ここだけではないか、しかも常設で。企画

展は松方コレクション展をやっていたが、

わたしは常設展のみ、すいていてゆっくり

観られる。

イコンとか祭壇画とか、ヴェロネーゼ、テ

ィントレット、ティツァーノ、いつ来ても

めずらしい感覚あり。印象派はどこでも観

られるから、それ以前の作品を充実してほ

しい。クラーナハのユディトがだれかの首

を持っている絵が新収蔵されて展示されて

いた。

宮部みゆき「スナーク狩り」

宮部みゆき初期の作品。まだ荒削りという

か、ちょっと大袈裟なところもあるが、一

気に読ませるところ、人物を書き込んでい

くところは流石だと思う。あっという間に

読んでしまった。

スナーク狩り (光文社文庫プレミアム)

スナーク狩り (光文社文庫プレミアム)

 

 

蒼井優のお父さん

別に知り合いでもないんだけど、ちょっと

好きな女優の父親ということだけなんだけ

ど、娘との結婚の挨拶に来た彼氏に、こう

いうときの典型的な3つのパターンをすべ

て経験したいと云い、彼氏に3つともやっ

てもらったという記事を読んで、ああ、こ

ういうのがほんとうの幸福感というんだろ

うなと和んだ。

このお父さんは盛大な披露宴でもなく、娘

の映画等での活躍や賞でもなく、こういう

日常の断片を大切にしたかったんだろうな。

職を辞して1年ちょっと、帰郷して1年、す

っかり落ち着いてきて、私は辞めることで

なにをしたかったのかというよりも、鎧を

取り払うとどんな生身の自分が見えてくる

のか興味があるなどと思い巡らしていたこ

とをふと思い出した。まだうまくは云えな

いけれど。

吉田修一「続横道世之介」

昨日は落ちこんでいたのでずっと本を読ん

でいた、きっと明るい爽やかにさせてくれ

る確信があった本を。この続編が出るとい

う新聞広告を見たとき何故と驚いた、だっ

て・・・と思ってたらそういうやり方があ

ったんだ。

6年前に「横道世之介」を読んだときに軽

くても深い内容に感心してたので、この

「続」も期待し、やっぱり気持ちよかった。

こういう風にだって生きていける。 

ktoshi.hatenablog.com

 

続 横道世之介

続 横道世之介