小津安二郎「浮草」

ひさしぶりの小津安二郎、どれにしよう

か「浮草」を。いつもと少し違う、旅役

者の話、京マチ子がここにいるのはおか

しい、といって持ち上げられているわけ

ではない、座長の鴈治郎に惚れている。

だから豪雨の中の軒先の罵倒シーンが緊

張感あり、いい。

けど若尾文子はもっといい、ここにいる

のはもっとおかしい、美しすぎる。

役者たちがいいなあ、田中春夫ら3人組、

「お早よう」のちびっ子くん、もちろん

杉村春子

町の風景の構図、様式美、撮影は宮川一

夫だった。

女に暴力をふるったり、時代は古いけど、

古き人情噺を役者の芸と映像美で見せる。

まだ録画したのが残っている、楽しみ。