北山修「コブのない駱駝――きたやまおさむ「心」の軌跡」

北山修が自分のことを精神分析的に振り

返る評伝のようなもの。いくつも彼の本

を読んでいるので知っていることも多か

ったが、眼の持病をもっていたこと、進

学への葛藤、父親との関係等知らないこ

とも分析してみせている。そして加藤和

彦との関係、彼を助けられなかった無念

を語る。

あれもこれもというふたつのことをする

人に憧れ、わたしも仕事だけ人間になら

ないようにやってきたつもりだ。しかし

北山修は軽やかにそれをしてきたように

見えるがそれなりにいろいろ苦労もして

きたようだ。

不完全であることの自覚、意味のないこ

とにも意味がある、いることの幸せ、そ

ういうことなんだろう。

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