返る評伝のようなもの。いくつも彼の本
を読んでいるので知っていることも多か
ったが、眼の持病をもっていたこと、進
学への葛藤、父親との関係等知らないこ
とも分析してみせている。そして加藤和
彦との関係、彼を助けられなかった無念
を語る。
あれもこれもというふたつのことをする
人に憧れ、わたしも仕事だけ人間になら
ないようにやってきたつもりだ。しかし
北山修は軽やかにそれをしてきたように
見えるがそれなりにいろいろ苦労もして
きたようだ。
不完全であることの自覚、意味のないこ
とにも意味がある、いることの幸せ、そ
ういうことなんだろう。