「銀河鉄道の父」を読んで、そういえば
こまつ座の「イーハトーボの劇列車」の
DVDがある、まだ見ずに仕舞ってあるの
を見ようと思ってようやく見た。
「イーハトーボの劇列車」はもう30年以
上前に父が佐藤慶、賢治が矢崎滋の芝居
をテレビで見て、佐藤慶の印象がいまも
強く残っており深く感動した記憶あり。
今回のDVDはいつか放映していた芝居を
録画してあったもので誰が出てるかも知
らなかった。
しりしている、強くて弱みがあまりない
のがちょっと。子供のためのシェイクス
ピアの夏の夜の夢で見た土屋良太が出て
いた。
父子が宗教で議論を戦わせる、友人とユ
ートピアについて議論する、刑事と農民、
百姓について、現実と理想について議論
する。賢治はユートピアを夢見てなにも
なしとげられない、農民のためと言いな
にもできずにいる、父の庇護をいくつに
なっても受けており、でくのぼうである
ことを自覚する、そういう人生であった。
周りの農民は辛苦にあり、思い残しがあり
ながらこの世を去った人々の哀しみが思い
残し切符としてわたしたちの心に届く。
賢治はリリカルでファンタジーの世界をこ
うやってこの世に置いていったのだ、井上
ひさしはこうやってそのことをわたしたち
に伝えてくれた。