ウィリアム・ワイラー「我等の生涯の最良の年」

1946年、戦争が終わっての翌年の作品。

驚く、まだ一年も経ってないのに復員兵の

物語、しかも手を損傷した男、心的外傷を

負った男、なんとなく帰還後世の中に馴染

めない男が交差して、いいところもわるい

ところも見せて懐の広さ深さには恐れ入る。

戦勝映画になっていないところも偉い。

さすがW・ワイラーである。

アメリカの圧倒的な豊かさ(もちろん貧し

さも見せるが)、ドラッグストアビジネス、

コーヒーもミルクもすぐに出てくる暮らし、

日本人はこれを見てどう思ったろうか、ア

カデミー賞9部門受賞作品を。

ラスト近くで戦闘機爆撃機の墓場をみせて、

でもそれを建築資材に活用しようとする活

力に圧倒される。

話は出来過ぎ、ちょっと交差する絡みが安

易のようだけど、ていねいに作られている

という感想の方が適切のように思う。

はい、よくできた映画でした。