1946年、戦争が終わっての翌年の作品。
驚く、まだ一年も経ってないのに復員兵の
物語、しかも手を損傷した男、心的外傷を
負った男、なんとなく帰還後世の中に馴染
めない男が交差して、いいところもわるい
ところも見せて懐の広さ深さには恐れ入る。
戦勝映画になっていないところも偉い。
さすがW・ワイラーである。
アメリカの圧倒的な豊かさ(もちろん貧し
さも見せるが)、ドラッグストアビジネス、
コーヒーもミルクもすぐに出てくる暮らし、
日本人はこれを見てどう思ったろうか、ア
カデミー賞9部門受賞作品を。
ラスト近くで戦闘機爆撃機の墓場をみせて、
でもそれを建築資材に活用しようとする活
力に圧倒される。
話は出来過ぎ、ちょっと交差する絡みが安
易のようだけど、ていねいに作られている
という感想の方が適切のように思う。
はい、よくできた映画でした。