こまつ座「日本人のへそ」

名古屋市民会館日本特殊陶業市民会館フ

ォレストホール)へ行くのは20数年ぶりの

ことだ。当時でも古くなっていたのにまだ

建替えがままならないのはなぜだろう。

さてコロナ渦で、でもこれはぜひ観ておき

たい芝居(栗山民也演出)だったので覚悟

して行ってきた。座席は3席に2人という感

じで左右のどちらか片方の席が空いている

やり方の様子。

「日本人のへそ」は井上ひさしの処女戯曲

で、学生時代に文庫で読んではいたが畳み

かけるような言葉遊びと複雑な構造、どん

でん返しで圧倒された記憶。

この戯曲は当時の高度成長期のエネルギー

に対抗する猥雑な(庶民、東北人、農民、

女性)エネルギーが込められておりパワー

があったが、今見るとそういうエネルギー

はあるのだろうか。

組曲虐殺」や「父と暮らせば」はすでに

歴史ものに成りつつあるのに、これはまだ

そこまではいってないので、若い人が見る

とどうなんだろう。

井上芝居のファン(高齢化)が多いと思っ

ていたら、井上芳雄のファンが多いのか若

い女性が多かった、カーテンコールでスタ

ンディングオベーションになるとは思わな

かった。

席が後ろの方だったので細かいところがわ

からず、小池栄子、山西惇(うまい)はと

もかく、脇の役者がよくわからなかった。

芝居はもっと小さな小屋で観るものだとあ

らためて思った次第。

ひさしぶりの街は人で溢れていた、そそく

さと帰ってきた。

井上ひさし全芝居 (その1)

井上ひさし全芝居 (その1)