マーチン・スコセッシ「沈黙ーサイレンスー」

篠田正浩の映画「沈黙」を観て、遠藤周作

の「沈黙」を読んだのは大学生のときだっ

たと記憶するが、宗教、キリスト教への関

心もなくただ死よりも宗教のが大事という

信仰にはついていけず「踏めばいい」とい

う言葉に強く共感したのだが、それでも映

画にも小説にも強い衝撃を受けたことは忘

れない。

それを現代にスコセッシ監督が映画化した

のでこちらもようやく見た。あまり覚えて

いないが篠田の方はキチジローの弱さが強

調されていたような記憶だが、スコセッシ

は日本風土でのキリスト教布教、棄教司祭

に重点が置かれ、また棄教後の心の内面に

おける信仰について語られる。

信仰が持つ大きさに理解が及ばない我が身

としては、宗教が持つ負の面、怖さという

ものを考えてしまうが、当時の日本もイノ

ウエ奉行もその怖さを感じ取っていただろ

う。一方で外面が大事、世間が大事という

日本らしさは形だけ踏めばいいのだと云っ

てしまうところに表われる。

宗教はむつかしい。

沈黙-サイレンス- [DVD]

沈黙-サイレンス- [DVD]

  • 発売日: 2017/08/02
  • メディア: DVD