新潮クレスト・ブックスは松家仁之が仕掛
けた上質な翻訳小説のシリーズで、でも一
冊も読んでなかったが、誰れだったかいち
おししていたので読んでみた。
なるほどなあ、山岳の自然の風景、暮らし
が丁寧で、なにもないけど美しい。二人の
少年が自然を介して強い友情で結ばれ、さ
らに片方の父親が二人に強く関係していく。
とくに事件が起こるわけでもない、でもど
んどん読み進める、とくに大自然の生活に
憧れがあるわけではないのに、その生活は
輝いている。
父親が「未来とは上流・下流のどちらだろ
うね」と尋ねる、普通は下流だと思うのだ
が、少年は未来は上流だと気づく。
そうか上流なんだ、そうか上流に決まって
るじゃないか。
堪能した。