村上龍もひさしぶり。表紙がポップで、老
人達が世直しをするに立ち上がるエンタメ
かと思い、つい文庫を手に取った。
ところが、まったく違う話。
老人たちはなにをしようとしたのか、ただ
焼け野原にしたかっただけなのか、なぜゲ
リラ戦を目指さず簡単に殉死したのか。
主人公はなぜ最後に国、政府に頼ったのか。
いくらか破綻をしているが、それでも強引
に成立させ、破天荒な物語を書けるのはや
っぱり村上龍である。
政治や社会に直接コミットしない村上龍は
こういうかたちで表現をしているというこ
とだろうか。