永江朗「そうだ京都に住もう」

 昔、まだ退職後の夢があったころ、いやリ

アルな現実とは思えず単なる夢であった頃、

夏は北海道で、冬は沖縄で各1か月くらい

暮らすというのはいいね、季節のいいとき

は京都で1か月だね、と妻と話し合っていた。

ちょうど老後は海外で住むなどとちょっと

したブームになっていたころだろうか。

結局夢は夢でしかないのだが、京都だけは

くりかえし遊びに行く、お寺巡りでない、

京料理ではない、ただ京都の街歩きで。

ライターの永江朗が京都の町家をリノベ

して住む、東京と京都を行き来するという

顛末の本なのだが、ちょっとリアリティが

あって羨ましく楽しんで読んだ。

そうだ、京都に住もう。 (小学館文庫)

そうだ、京都に住もう。 (小学館文庫)