維新後の明治からの富国強兵の流れが整理
されており、それが敗戦まで行き着くこと
を示している。知っていることも多かった
が、米との不平等条約のように朝鮮には不
平等条約を締結したことや、支配地でのイ
ンフラの役割等そりゃあそうだねと納得す
ることも多かった。福沢諭吉や当時の知識
人の言動は今のものさしでは計れないもの
でありその時代ではどんなに聡明な人でも
そういうふうに考えるのだなと理解する。
いまのわたしが考えることもいずれなにを
云ってたのかと思うこともあるのだろう。
科学者、技術者が戦中に行ってきたことが
およそ不問にされ戦後の復興に動かされて
いくのはなるほどと思わせた。
歴史を振り返るのにはいくつもの視点が必
要であり、孤高の山本義隆なのでこういう
視点であると同時に、並行して別の視点が
あること、たとえば坂の上の雲であり、あ
るいは戦後の経済成長の評価であり、ひと
つに収斂されないことが大事だと思う。