春休みの覚書(2)

仕事から次へ。
辞職の意志は固かったが、晴れやかな気分、
開放感、せいせいしたという感覚はなかっ
た。ふと朝9時すぎにああ仕事が始まった
んだと思い、でももう思い悩むことはない
とほっとする。
一方で、この働いていないことがなにか後
ろめたい感覚がある。なにしろ40年も働
いていたのだ体に沁みついている、未練と
かではない、刷り込まれたパターンとでも
云おうか、簡単には変えられないこと、ゆ
っくり解きほぐしてことになる。
それでここからである。
自分の意志で辞めたのでそれに代わるもの
がなくてはならないとの思いが巡る。満了
ではないのでどっこいしょと落着いてはい
けないという気持ちに揺らぐ。
いや春休みだ、のんびりするぞでもいいの
だとわかっている、この自由さは代えがた
い多幸感であることは承知してる。時間と
いう無形資産を持つとは書いた。
そのとおりだ。
40年の呪縛はなかなかのものだ。
ところで、普通は離職したらそのまま自由
人になる、でも私は身辺を片付けて実家へ
帰る、これを済ませないと区切りがつかな
いということなんだろうか。このあたりが
ちゅうぶらりんなんだろうか。
もう一日考える。