永田和宏「知の体力」

 ずっと二刀流の人、二足のわらじをはく人

に憧れてきた。堤清二北山修村上春樹

そして永田和弘は京大理系の名誉教授にし

歌人歌会始選者と本物である。

そう昔、π型人間のすすめみたいなのが流

行ってこれに感化され志向するようになっ

たのだと思う。

その岩波新書、若い人達に向けて知性とは

何か、研究とは何かを語る。ほぼ共感する、

私が思うことを語ってくれる、なんだか異

論を許さない同調圧力の強い世の中、権力

の誇示を隠さなくなってきたことへ、自立

を謳い、知性の力を信じ、鍛える大切さを

示してくれる。二足のわらじの後ろめたさ

も正直に語る。毎週月曜の朝刊の朝日歌壇

を楽しみにしている。

知の体力 (新潮新書)

知の体力 (新潮新書)