平田オリザ「わかりあえないことから」

わかりあえないことから コミュニケーション能力とは何か (講談社現代新書)
コミュニケーション能力とは何かと副題に
あるように、わかりあえないことを前提に、
コミュニケーションの問題を解きほぐして
いく、うーんとうなった一冊。
たしかに仕事でコミュニケーション能力を
求め、世の中はそういう人たちが競いあっ
ているようにも見えるが、その違和感も並
行して存在することはわかる。
教育の場で、新しいコミュニケーションの
方法論を展開していく、特に演劇手法を用
いていくあたりは興味深く読んだ。子ども
たちと創作を始めるときに、いない、参加
しないと云う子がいて、オリザはそれに喜
んでしまって、いいねいいねと云うという
件はすごくよくわかる、そして感心した。