宮本輝「水のかたち」(上)(下)

水のかたち 上
水のかたち 下
三連休は芝居を観に行った以外はいわゆる
残暑バテと理由をつけてごろごろしていた。
それで寝っころがってDVD見たり、読書
したり。
宮本輝有元利夫をよく装丁に使うのだが、
いつもいいなあ、もっと長生きしてほしか
ったなあ。さて、50代女性主婦がまわり
の人々との繋がりから新しいことをはじめ
ようとする物語である。普通の主婦がハイ
ソな粋人と知り合いであるわけないし、古
い友人が新進気鋭のジャズシンガーになる
わけないし、他にもあれこれありえない話
ではあるのだが、これは寓話として、物語
として、人との縁によって育てられ前に進
み新しいものに向きあっていく成長物語な
のだろう。キャラ立ちする登場人物が多く
てちょっと盛り込み過ぎという観もあるけ
ど。