内田百けん「第一阿房列車」

第一阿房列車 (新潮文庫)
この作家はもっと老いてから読もうと思っていたが、ついつい
手に取ってしまった。黒澤明の映画「まあだだよ」で百けん先生
のことはなんとなくわかった気になっているので、この本での
偏屈、我儘ぶり、脱力感、ユーモアはそのとおり。
鈴木清順の映画「ツィゴイネルワイゼン」の原作者でもあり、
なんとなくずっと気にはなっていたのだが、まあ、でもまとめ
て読んでもみようかはもっと先かな。
とにかく、用もないのに大阪まで行ってくるというそれだけの
話を読ませる芸は最高。