2012-02-07 吉田修一「悪人」(上)(下) 本 朝日新聞に連載されていて、大きな賞をもらって、映画化されて、 深津絵里がどこかで賞をとって、読んでみた。 誰が悪人なのかという話なんだ。人は誰でも自分の中に善人と悪 人を抱えているのだが、それがどのように表へ出てくるか、ある いは他者がそれをどう受け止めるかで、大きな差異が表れる。 読んでいて楽しくない話だ。宮部みゆきに似ているといえば似て いるか、ラストに救いがあるというかもしれないが、もっと大き なザラっとした残滓が苦い。