吉田修一「悪人」(上)(下)

悪人(上) (朝日文庫)
悪人(下) (朝日文庫)
朝日新聞に連載されていて、大きな賞をもらって、映画化されて、
深津絵里がどこかで賞をとって、読んでみた。
誰が悪人なのかという話なんだ。人は誰でも自分の中に善人と悪
人を抱えているのだが、それがどのように表へ出てくるか、ある
いは他者がそれをどう受け止めるかで、大きな差異が表れる。
読んでいて楽しくない話だ。宮部みゆきに似ているといえば似て
いるか、ラストに救いがあるというかもしれないが、もっと大き
なザラっとした残滓が苦い。