藤沢周平「蝉しぐれ」

蝉しぐれ (文春文庫)
まいったな。藤沢周平は、もっと年寄りになってから
読もうと近寄らないようにしていたのだが、昨日突然
1泊2日の入院をして熱にうなされながら一気に読んだ。
まいったなというのが素直な感想、超有名作品である
のは当然である。新聞小説だったから読みやすく、伏
線もわかりやすく、喜びあり悲しみありせつなさあり、
おまけに剣術あり、成長小説でもあり、もう盛り沢山で。
さらに、その清潔な文章、あの海坂藩の風景の美しさ。
これはこまったなあ、海坂藩シリーズが私を呼んでい
るではないか。