兵庫県立美術館「小倉遊亀展」

小倉遊亀 (日経ポケット・ギャラリー)
没後10年の回顧展。なんというモダン、画風の挑戦。
なんといっても私の好きな「浴女その一」。ゆったり感、
湯舟の質と量の大胆さ、少女の可憐さ、ほんとうに好き
な絵だ。花瓶の配置ひとつにしても下絵を書き並び替え
置き換え思案していることがわかる下絵展示があり面白
かった。後半の静物スティル・ライフ)の最後の方に
梅の幹を描いているのが何枚もある、亡き夫を偲んでの
絵だという。105才まで生きて長さだけでない大きな
一生だっただろうことを思わせる。
ついでに常設展を、小磯良平の斉唱を中心に現代美術ま
でゆっくりと鑑賞、一番奥に安藤忠雄のコーナーができ
ており、光の教会の模型、住吉の長屋の模型等があった。
それでこの特大の美術館、安藤建築をぐるぐるまわって
みて堪能する、巨大なハコが無駄か無駄でないのかその
境界で屹立している。