読み直す村上春樹その8「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド
1985年6月の発売日に購入、長男が生まれたばかりで
そんな時にわくわくしながら読んだ記憶がある。
読み直すシリーズで、ようやくこの本を読み始めてはや2ヶ
月あまり、遅々として進まなかった。「世界の終り」の方に
気持ちが入っていかない。実は前に書いたように並行して
竜馬がゆく」を読んできていて、これがめっぽう面白い、
元気が出る、一気に読まないようセーブしている、のに対し
て、こちらは本当に苦労した次第。ところが後半も終りに近
づいて、博士に会って、私が死を悟ってからは、気持ちのい
い、晴れやかな感じになり、死ぬというのにこんなふうに死
を受け入れられたら思う展開に一気に読み進める。図書館の
女の子(いや未亡人なのに)は実にチャーミングだし。
ストーリーはたくさんの謎に満ちている、謎をこの物語は問
いかけている、豊かな世界がここにある。