1988年に鼠三部作の続編が出るというので、とても
心待ちにしてこれも発売日に買って読んだ記憶があるが、
三部作より印象が薄いのはなぜだろう。88年といえば、
息子が3歳、下の息子はまだ生まれていない、好景気に
世の中が踊っていた頃で、でも私にはその実感はほとん
どなく淡々と暮らしていたように思う。
さて、読み直しの四冊目。時系列で云えば世界の終りが
ありノルウェイがあってからこの作品なのだが、鼠の完
結篇ということで先にこれを読む。
作者も書き慣れてきたのかとても読みやすく、レトリッ
クも都会的であいかわらず楽しく、ぐいぐいと読ませる。
そしてこれは再生の物語。ユミヨシさんは魅力的だなあ。
それにしてもだ、男が立ち直る時にはやっぱり女の子が
必要ってことなのかなあ、まあ、そうなんだろうけど、
ここまでユミヨシさんいなければというのもどうかな、
と思ったのは、私がもう若くないということなのだろうか。